人気ブログランキング | 話題のタグを見る

絵の勉強

009.gif039.gif
新潟市の墨彩画家、藤井克之さん(56)の個展「加茂風景を描く」が18日から23日まで加茂市のギャラリー山内堂で開催された。
私は写真家の竹内敏信さんや弓納持福夫さんの風景写真を見て写真が好きになった。
もし最初に藤井さんの墨彩画を見ていたら、きっと写真より絵の方が好きになっていたかもしれない。
昨年、三条市の風景を描いた作品展が東公民館で行なわれた。
三条の街をどんな風に表現しているのか興味があり、会場を訪れたのが藤井さんとの出会いである。
藤井さんは高校の美術教諭で三条高校を最後に退職し、画業に専念している。
旧湯之谷村の大和和紙に墨と顔料で郷土の風景を描いている。
私が驚いたのは、墨の線が素晴らしい事だ。細かい所は極細に、大胆な所は太くと、物の輪郭に優しさや力強さが出ている。
その墨の上に淡いパステルカラーのような顔料の色彩が染み込んで、見る人を癒してくれる。

今回の加茂市の風景は下条ダムの桜、長福寺の小川、加茂山の展望台からの市街地、若宮町などが描かれていた。
私も当然ながらこの辺りは写真に納めている。
藤井さんの絵を見ると、私は風景写真を止めたくなる。
そして何が違うか気づかされた事がある。
風景写真の場合、朝夕が撮影には絶好の時間である。さらに天候の条件がもっとも左右される。
日中に藤井さんと同じ場所で撮影すると、晴れた日のトップライトでは影の出かたがつまらないし、曇り日なら空が入れば白くなる。
したがってワイドレンズを使った広い風景を私はほとんど撮ってなく、街のポストや花のアップ、商店街の看板など、形や色ばかりを狙っていたのである。
絵の場合は白い雲を薄いブルーや濃いグレーなどに塗る事が出来る。その色彩が写真にはない独特の味が出る。
また写真は邪魔な物を入れないで写す引き算がフレーミングでもっとも大切だ。
それが時として人物や電柱、車だったりする。絵はそれらを描いたとしても不思議と風景に調和しているのは何故なんだろう?
もう一つ勉強になった事がある。地平線の位置からの遠近感だ。これは写真にも通用する。
つまり奥行きのある構図である。人物撮影でも大切にしたい撮り方だ。

会場で、藤井さんが知らない三条市や加茂市で私がよく行く場所を教えると、「早速描いて見ます」と言われ、本日お礼の手紙が届いた。

こちらこそ、墨彩画からたくさんのヒントを頂いた事に感謝申し上げます。
絵の勉強_b0076646_194603.jpg

Canon PowerShot G10  6.1-30.5mm 
F6.3 1/30秒  ISO400  
撮影日2011.5.26 撮影地 自宅

人気ブログランキングに登録しています。
良かったらここをクリックして下さい。


【ご案内】
第2回 墨彩画藤井克之 三条教室展
会期:2011年6月11日(土)~13日(月)
時間:午前10時~午後6時(最終日は午後4時)
会場:三条東公民館 三条市興野一丁目13番70号
電話:(0256)35-1200
■どなたでも参加いただけます。
講師による制作実演と体験教室(午後2時~3時)
by chonger48 | 2011-05-26 19:46 | 写真雑感・テクニック
<< BCリーグ・新潟4-4信濃 BCリーグ・新潟0-3富山 >>